毎年夏になると、私はお盆が待ち遠しくなります。(旧盆8月のことです)
別にお盆休みでハワイに行くというわけではありません。
それよりも、人混みが嫌いで家の中でじっとするタイプです。
クーラーの効いた部屋で、暑いのが大の苦手なフレンチブルドッグと一緒にかき氷でも食べながらまったりとするのが好きです。
私が盆が待ち遠しいといったのは、別の理由があります。
盆はご先祖様があの世から帰ってくる日です。
ですが我が家には仏壇はありません。
正式に言うと「人」の仏壇はありません。
あるのは、「愛犬たち」の遺影です。
我が家に明るさと癒しと温かみをくれた愛犬たち。
近年ではミニチュアダックスとフレンチブルドッグがいます。
2頭とも最後は我が家で看取りました。
ミニチュアダックス(スムース・茶・メス)は17年の長寿を全うしました。
なかなかに頭の切れる犬で、飼い主の前ではいい子をしてて、出かけたのをわかった瞬間態度が豹変する、今思えばユニークな犬でした。
気付いたのは、私が出かけて忘れ物に気が付いてあわてて家に戻った時のことです。
今まで決して上がったことのないコタツの上に上がって、どこかに獲物がないか、とでも思っていそうな野性的な顔であたりを見回していました。
私が、「おいっ!」と声をかけると、
「えっ、出かけたんじゃなかったの?」と唖然とした顔をしてたのをつい昨日のように思い出します。
ある意味フレンチブルドッグ以上に食欲があって、気の強いしっかりした犬でした。
12歳ぐらいの時、白髪が増えてかなり老いぼれてきたんですが、フレンチブルドッグが家に来た途端、顔も背中も真っ茶色な毛が生えてきて、止まっていた生理も復活しました。
犬もライバルが出現すると、こうしちゃおられない、と内面からエネルギーが湧いてきたのでしょう。
ターミネーターが復活した感じでしたね。
今も手に歯型が残っています。(笑)
最後は尿毒症で、本人は痛みも感じず、フワーとした感じで死んでいったようでした。
生きるだけ生きて、天寿を全うしたと思います。
(注)ここに2頭とも眠っています。
それに比べて、今でも悔やまれてならないのが我が家に最初に来たフレンチブルドッグのメスのフォーンでした。
はじめて飼ったフレンチブルドッグ。
ミニチュアダックスに比べて表情がわかりにくく、尻尾もないし、喜怒哀楽が全く分からず苦労しました。(1年経ったら手に取るように分かりましたが)
10年前だと今ほど世間ではフレブルは認知されておらず、トリマーさんに連れて行った時、出入りの業者さんに、「えっ、パグ?でも耳が立ってるし」と言われる程度でした。
体臭もミニチュアダックスより強かったように覚えています。
その後、悪魔的なフレンチブルドッグの魅力に侵されるとも知らずに。
風呂に入っている間中、ずっとドアの前でお座りするようなブヒでした。
我が家を明るく楽しく塗り替えてくれたフレンチブルドッグが、おしっこの頻度が増え、ペットシーツまで間に合わずに漏らした時も、何あわててんの?とみんなで笑っていました。
危険なサインだとも知らずに。
様子がおかしくなって病院に連れて行った時はすでに手遅れ。
手の施しようがないなら、せめて我が家で看取ってやろうと連れて帰りました。
フレンチブルドッグは短命と言われてますが、5歳は短すぎました。
この時の経験で、今年の夏も暑いですが、犬がぐたーと寝ているのと、死んでいる状態の違いは見分けることが出来ます。
今年もお盆が来て、死んでいった愛犬たちが帰ってくる日が来ました。
虹の橋のたもとにいたのか、もう渡っているのかわかりませんが、そっちから我が家に帰ってくる日です。
やったー!久しぶりにあの子たちに会えるぞ。
元気にしてたか?ちゃんと食べてたか?もうどこも痛くないんだろ?おいで!早くおいで!
この時期になると、我が家で一番霊感の強いパイドが、天井の隅のあたりを見ながら吠えたりします。
(注)我が家で1番の霊感を持つ(と勝手に思っています)パイド
「ひょっとして帰ってきたか?どこだ?ソファーか?」とあたりを見回します。
見えません。
気配も感じません。
おかしいな。迷ってるのかな。
出ておいで。
お化けになってもいいから。
枕元に立ってもいいから。
夢の中でもいいから。
今年もあの子たちに会えませんでした。
夏をあきらめるのは辛いことですが。
我が家の夏はもうすぐ終わります。
来年を期待しましょう。
そうだ、もっとすごい御馳走を用意しよう。
そうすれば来年こそ会えるだろう。
1年なんてすぐだから・・・・・・ぐすん。
(注)霊感ゼロのフォーン